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『べらぼう』は終わらない!総集編の放送前に心に残った感動の名場面を振り返る【吉原・遊女編】

『べらぼう』は終わらない!総集編の放送前に心に残った感動の名場面を振り返る【吉原・遊女編】:4ページ目

“ここは日々が戦い”「誰袖」の肝の据わった言葉

第22話「小生、酒上不埒(さけのうえのふらち)にて」。

明るくて調子がよくて“現代っ子”といった感じの花魁・誰袖(福原遥)は、少女時代から蔦重に夢中でした。

積極的に言い寄っていましたが、大人になり田沼意知(宮沢氷魚)に出会ってからは彼にぞっこんに。頭の回転が速い誰袖は、意知に座敷に出入りする松前家の家中や商人のスパイをするので、その代わりに“身請けして欲しい”と頼みます。

「それは危険だ」と止める意知に、いままでの「んふ!」という艶っぽいキャラから一変。

「ここは、日々が戦いにござりんすよ?騙し合い、駆け引き、修羅場、わっちの日々はきな臭いことだらけにありんす」

と言い返しました。突然、見せた誰袖の肝の座った女の凄み。

大文字屋の遣手でお目付け役のしげ(山村紅葉)を振り回すほど、自由奔放で屈託のない少女だった誰袖。さんざん嫌な思いや辛い経験をして花魁の座に登り詰めたのだな、ということが窺い知れる場面でした。

苦界に生きる花魁の厳しさ、自力で抜け出そうとする誰袖の根性を感じました。

その後、たまたま文字屋で“風呂上がりの洗い髪ですっぴん姿”の誰袖は、意知とばったり会ってしまいます。いつものばっちりお化粧をした妖艶な花魁姿とはまったく違う、幼く頼りなげな愛らしい素顔の誰袖。意知の胸がドキンとときめいたのが聞こえてくるようでした。

お互いに相手の本音が見えず腹の探り合いをしていた二人ですが、一気に距離が近づき本気の恋の芽生えを感じた場面でしたね。

けれども、せっかく純粋な恋が始まるところに、スパイの対象である松前廣年(ひょうろく)が客として訪れます。

惚れた男に素顔を見せ本気の恋心が互いに芽生えたのに、好きでもない男の相手をしに行かねばならない、それが花魁の仕事です。

微笑みながら「きちんと責だけは果たしておくんなんし」と座敷に向かう誰袖。「ちゃんと私の任務は果たしますよ」と言い切って背中を向けた姿は、切なくもかっこよく、この二人には幸せになって欲しいと思いました。

5ページ目 恋人の無念の死に闇堕ちするも笑顔を取り戻す

 

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