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2026年大河『豊臣兄弟!』注目の舞台──豊臣秀吉・秀長、飛躍の契機「本能寺の変」の史跡を巡る【後編】

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当時の本能寺は、東西約100メートル、南北約220メートルの長方形の敷地を持ち、周囲には堀を巡らし、さらに土塁と土塀を構えて、まるで小規模な城郭のような様相を呈していました。表門をくぐると、本堂・客殿・庫裏・奥書院などの堂宇が並び、その周囲を多くの塔頭寺院が取り囲んでいたといいます。

信長が自刃した場所は奥書院と考えられています。変後、信長の三男・織田信孝がこの地を墓所にしようとしましたが、秀吉が許さなかったという逸話も伝わっています。

現在の本能寺には信長の廟や家臣の供養塔が整えられている一方、旧本能寺跡には往時を示す遺構は残されていません。しかし、信長の最期に思いを馳せるうえで、ぜひ訪れておきたい場所です。

時の東宮・誠仁親王が暮らしていた二条新御所跡も、もう一つの本能寺の変の舞台です。本能寺が明智勢に襲撃されたとの報を受けた信長嫡男・信忠は、宿所の妙覚寺から二条御新造(二条新御所)へ移りました。

信忠は親王をはじめ女官たちを退避させたのち、約2時間にわたり奮戦し、最後は自ら御殿に火を放ち自刃したと伝えられています。

こうして信長・信忠父子はともに紅蓮の炎の中で没し、その遺体はついに発見されることがありませんでした。この後、光秀は細川幽斎ら与力大名に合力を求めましたが、いずれも思うような支援を得られないまま、秀吉との山崎決戦へと向かいます。そして、この戦いを契機に、秀吉と秀長は一気に歴史の主役へと躍り出ることになるのです。

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