年末に聴きたい落語の定番「芝浜」はなぜ愛される?落語の魅力と共にわかりやすく解説:2ページ目
「芝浜」が年の瀬に好まれる理由
上述の中で「人情噺」に分類される「芝浜」。
江戸の芝の海岸を舞台に繰り広げられる夫婦の人情味溢れる噺なのですが、なぜ年の瀬に好まれるのでしょうか?
「芝浜」のあらすじ
物語の主人公は、腕は確かだが酒好きで怠け者の魚屋の亭主。
剛を煮やした女房にドヤされ、仕入れのために渋々向かった芝の浜で大金の入った財布を拾います。
大金を手に入れた亭主は、仲間に大盤振る舞いをした後寝入ってしまいます。
目覚めると、女房が「宴会の支払いはどうするのか」とカンカンです。
拾った大金から支払うように言いますが、女房は「そんなものは知らない」の一点張り。
亭主が必死になって家中を探すも、当の財布は見当たらず…。
意気消沈のところに女房から「あんた、夢でも観たんじゃないかい?」と告げられたことが決定打となり、この日を境に亭主は働き者へと豹変します。
そして迎えた3年後の大晦日。
亭主は女房から衝撃的な告白をされるのです。
「芝浜」のクライマックスは大晦日が舞台
上述の通り、「芝浜」は大晦日にクライマックスを迎えます。
そのことから、「芝浜」は年末の風物詩として長年好まれてきました。
作中に鮮明に描かれている江戸時代の大晦日の風景はとても鮮明かつ明瞭で、まるで当時の大晦日を過ごしている気分になること間違いなしです。