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酒蔵の軒先に“丸い杉の玉”がぶら下がっている理由――「杉玉」の歴史と色の秘密

酒蔵の軒先に“丸い杉の玉”がぶら下がっている理由――「杉玉」の歴史と色の秘密

みなさんは、酒蔵に行ったことがありますか?酒蔵をはじめ、酒屋さんや日本酒を得意としている飲食店・居酒屋などでもたまに見られるのが、軒先にある「杉玉(すぎだま・すぎたま)」です。

杉の玉、という名前のとおり、杉の葉を丸めてボール状にしたものですが、それが何の目的で飾られているのか、意外と知られていないのではないでしょうか。

今回の記事では、そんな杉玉の目的や歴史に迫ってみたいと思います。

杉玉とは?

杉の葉(穂先)を集めてボール状にしたもので、別名「酒林(さかばやし)」とも呼ばれます。緑色のものや枯れて茶色になったもの、しめ縄や小さな笠がついているものなどがあります。

杉玉の由来・はじまり

杉玉は、奈良県桜井市にある日本最古の神社であり、「日本三大酒神神社」にも数えられるお酒の神様を祀った神社である「大神(おおみわ)神社」に由来するといわれています。古くから、朝廷の神事のお神酒(みき)を作る重要な役割を担ってきました。

大神神社は三輪山をご神体としていますが、その三輪山は神奈備(かんなび)と呼ばれる神様のよりどころとされている場所で、杉の木も多く自生していました。そのため、その杉にも神様が宿っていると考えられ、酒造りのお守りとして持ち帰り、束ねて飾るようになりました。

江戸時代の中期ごろには、今のように杉の葉を丸い形に整えて飾る習慣がはじまりました。そして、奈良だけでなく全国にもこの風習が広まっていきました。

2ページ目 時代とともに幅広い意味合いに

 

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