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「べらぼう」肝の据わった名軍師・てい誕生!随所に散りばめられた名セリフや軍師ぶりを考察【前編】

「べらぼう」肝の据わった名軍師・てい誕生!随所に散りばめられた名セリフや軍師ぶりを考察【前編】:2ページ目

肝が据わっている軍師のようなおていさん

家に帰り、「とんでもないことに巻き込んでしまった」とていに平身低頭する蔦重。

ところが、ていは「やらぬという道が塞がれているなら、やるしかございませんでしょう」ときっぱり。土壇場になると思い切りがいいのはさすがです。「よろしいのではございませんか。悪党を討つのは世のためにもなりましょうし」と。

以前からこういう性格とは感じていましたが、本当にかっこいい姿でした。

さらに「ふんどしの守からかかり(費用)をふんだくり、蔦谷十三郎らしく贅沢でふざけた騒ぎをおこす。それを持って春町先生(岡山天音)の供養にしては」とアドバイスします。まるで軍師のような采配には驚きました。

「おていさん、極上々吉!」「極上上上上上上上…!」と感動する蔦重の言葉を、途中で「お褒めにあずかり恐悦至極にございます」と、バッサリ切ったのは笑えましたね。

そして、十返舎一九(井上芳雄)に「源内作としか思えない内容」の浄瑠璃を書いてもらい芝居小屋にかけようという計画を立てます。

街の通りに役者が繰り出す祭りを利用する

芝居町に足を運ぶ蔦重。ところが粛清のおかげで三座(江戸町奉行所によって歌舞伎興行を許された芝居小屋)の経営は厳しくなり寂しい状態になっていました。

そして、久々に歌舞伎役者の市川門之助(濱尾ノリタカ)に再会します。(富本豊志太夫(寛一郎)と一緒に、以前吉原で富本節を見せてくれましたね。こちらも久々の懐かしい顔でした)

門之助から芝居町を盛り上げるために「曽我祭り」をやる計画があることを聞きます。芝居町の通りを利用し役者が繰り出して踊りを踊って派手にやるとのことで、“普段は舞台でしか見られない役者の素顔を間近で見られるので人が集まるだろう”との計画でした。

これを聞いて、蔦重がひらめかないはずはありません。役者の素顔絵を大々的に売り出し「平賀源内作」という噂を流す…これだ!とひらめきました。チーム蔦重を一同に集めて、「源内先生が描いたと思わせる役者絵」を描き思い切りふざけよう!と提案をしました。

最初は乗り気ではないメンバーも、蔦重が源内作の蘭画を取り出し、

「絵師が見たままの姿を描く蘭画の手法で、歌舞伎役者を見たままの姿で描く」
「しかも、芝居街の通りで役者たちが素顔で踊りを踊る祭りがあるから、みなその絵を持って祭りに行くだろう」
「さらに、絵師は平賀源内じゃねえかと噂を流す」

という計画を聞いて、身を乗り出します。チーム蔦重が「そう来たか!と、ひとつの企画で盛り上がるという久しぶりの「べらぼう」らしい活気あるシーンでした。

さらに、絵師の号は「しゃらくさいっていうのはどうかね」という朋誠堂 喜三二(尾美としのり)のつぶやきに、いかにも源内が言いそうな言葉だとなり、「しゃらく」という名前が浮上。源内にぴったりだと満場一致となり、文字は「冩樂」に決まりました。

3ページ目 〜蔦重栄華乃夢噺〜とあるように写楽誕生は蔦重の「夢の噺」

 

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