”息”で毒を見抜く!?戦国時代、武将たちは料理に盛られた毒をどのように見抜いていた?:2ページ目
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戦国時代に使われた毒物
昔から毒として使われてきた物質には、これらのものが挙げられます。
- 烏頭(うず):トリカブト。毒性はアコニチン。附子(ぶす/ぶし)とも呼ばれる。
- 鴆毒(ちん):鴆という伝説上の鳥から採取した羽を酒に浸した毒。毒性は不明。
- 冶葛(やかつ):つる性常緑低木で、毒性はアルカロイド。
- 土斑猫(ツチハンミョウ)という昆虫からとった黄色い体液。毒性はカンタリジン。
このうち鴆毒については伝説上の存在とされる一方、『周礼』に記された亜ヒ酸(三酸化二ヒ素)ではないかとも言われています。
鴆毒で死んだ者は黄疸と似た症状(※)で、身体が黄色く変わるとされ、これが呼気に反応する原因なのかも知れません。
(※)そのため、黄疸で亡くなったとされる足利直義(尊氏の弟)などは、毒殺が疑われています。
ただし明確な証拠はなく、また米粒が濡れないようになるという現象についても、明確な答えは出ていないようです。
終わりに
今回は戦国武将たちが料理に盛られた毒を見抜く方法と、毒の種類について紹介してきました。
まったく油断も隙もあったものではありませんね。手っ取り早いのは毒見役に食べさせて様子を見るというのもありますが、いざ戦場においてはそう悠長なことも言っていられないでしょう。
あと、本稿を読んでさっそく料理に息を吹きかけてみたくなる気持ちは解りますが、くれぐれもマナー違反にならないようご注意くださいね。
※参考文献:
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