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『べらぼう』蔦重の実両親は?須原屋市兵衛その後、歌麿の胸中…10月26日放送内容の深堀り解説

『べらぼう』蔦重の実両親は?須原屋市兵衛その後、歌麿の胸中…10月26日放送内容の深堀り解説:3ページ目

綺麗な抜け殻だけ残ればいい……歌麿の胸中

あくまで絵師と本屋の関係と言いながら、どうしても蔦重に惹かれてしまうことで、やり切れない歌麿。

つよは「伝わらなくていいのか」と尋ねますが、はっきり伝えたところで受け入れてくれるはずもないし、仕事もやりにくくなるだけです。

今の望みは、ただ綺麗な抜け殻だけが残ればいい。かつて生きていたセミが何を思っていたかは知らないが、セミたちが残した抜け殻は実に綺麗で、人々の心を動かす。そんな生き方を選ぼうとしていました。

実際に現代を生きる私たちが触れられるのは、例えば蔦重が出版した本だったり、歌麿が描いた錦絵だったり。そこから彼らの思いが直接伝わる訳ではありません。

今から百年もすれば、自分を知っている・覚えている人なんて、みんな死んでいなくなる。だからこそ、その裏にあったあれこれはどうでもいいから、綺麗な抜け殻だけを残したい。そんな思いに至ったのでしょう。

それにしても、悩みというものは聞いてもらえるだけでも随分と楽になるものです。少しずつ「おっかさん」に心を開きつつある歌麿にホッとする反面、間もなく訪れる別れに胸が痛くなりますね。

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◆喜多川歌麿/染谷将太きたがわ・うたまろ/そめたに・しょうた美人画で江戸に旋風を巻き起こした天才絵師幼いころ、絵師・鳥山石燕のもとで絵を学び、その後、蔦重と出会う。蔦重が洒落本、黄…

4ページ目 実際の蔦重の家族は?

 

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