【べらぼう】山東京伝が手鎖刑&絶版となった洒落本『仕懸文庫』の内容やあらすじを紹介:2ページ目
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『仕懸文庫』あらすじ
初秋のこと、三人の武士たちが舟で仲町へ向かいました。
三人の年長者(30代)である朝比奈は、年若い十郎と団三郎(それぞれ20代)を案内する形です。
まずは昼から料理屋(鶴が岡屋)でお膳を囲み、いい具合に酒が回ったところで朝比奈が女中に二人の相手を指図します。
朝比奈の馴染みであるお鶴は出張中、やがてお虎(17歳くらい)とお団(20歳くらい)がやって来ました。
お虎は十郎に、お団は団三郎(団つながり?)にそれぞれ決まり、お鶴を待つ間に幇間(ほうかん。たいこもち)と芸者を呼んでひと騒ぎ楽しみます。
やがて出張から戻ったお鶴は朝比奈の元へ、みんな揃ったところで、いよいよお楽しみの床入りです。
三組は8畳の座敷を屏風で仕切り、それぞれ真実の恋に思いを燃やしました。
しばらくすると富岡八幡宮から日没を告げる入相の鐘(いりあいのかね)が響きます。
名残惜しくはあるけれど、門限の厳しい武士の悲しさ。三人は舟に乗って帰途につくのでした。
……とまぁ、こんなお話しです。
終わりに
今回は山東京伝『仕懸文庫』について、その内容などをざっくり紹介してきました。
要するに「深川遊郭体験記」程度の内容ですが、当時からすればとんでもなく破廉恥だったのかも知れません。
手鎖の刑ですっかり懲りてしまった?京伝先生。果たして蔦重との関係はどのようになっていくのでしょうか。
※参考文献:
- 水野稔 校註『新日本古典文学大系 米饅頭始 仕懸文庫 昔話稲妻表紙』岩波書店、1990年2月
- 山東京伝『仕懸文庫』国立国会図書館デジタルコレクション
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