朝ドラ「あんぱん」ヒロインのモデル 小松暢には次女(河合優実)と三女(原菜乃華)が実在。それぞれの生涯:2ページ目
東京へ――“金庫番”として支えたやなせスタジオ
史実においても、瑛は蘭子と同様に東京へ出ることとなります。
すでに東京に出ていた姉・暢は、議員秘書を経て、同郷の柳瀬嵩と結婚。嵩は漫画家として活動を始めていきます。
瑛はやなせスタジオの「金庫番」として勤務。帳簿・資金管理の中核ですから、信頼と管理能力を買われてのことでした。
彼女の几帳面さ、数字に強い性分も垣間見え、創作家の周辺を着実に支える「縁の下の力持ちになったとも言えるでしょう。
やがて暢は自身の病を得て入院。この時期の前後くらいに、瑛も通帳や印鑑の管理から離れたと思われます。
この“縁の下”の役回りが、ドラマにおける“蘭子”のキャラクター造形(まじめで実務に明るい妹)と自然に重なりますね。
没年は平成15(2003)年ごろと伝わりますが、戸籍・追悼録レベルの裏づけが一般公開資料に乏しいため、ここでは「諸説あり」としておきます。
