「あの子、チヤホヤされてるね〜」“チヤホヤ” の語源、なんと千年以上前の平安時代にルーツが!
「あの子、チヤホヤされてるね〜」なんて、聞いたことある読者の皆さんも多いのでは?
「チヤホヤ」とは、「甘やかされて、持ち上げられること」。
けれども、この「チヤホヤ」っていう言葉の響き、よくよく考えてみると不思議な語感ですよね~。響きはかわいいし、なんだか軽い言葉に思えるかもしれません。
ところが実は、調べてみると、この「チヤホヤ」という言葉、千年以上前の平安時代にルーツがあるようなのです。
時は10世紀末、一条天皇の世。后となった藤原定子は、聡明で教養あふれる女性として知られていました。彼女に仕えたのが、皆さんおなじみ、『枕草子』を書いた清少納言です。定子のもとには華やかな文化サロンが広がり、宮廷は花やかな空気に包まれていました。
けれども運命は厳しく、父の死や一族の失脚で定子は一度宮廷を去ることに。その後、天皇の深い愛情を受けて戻るものの、やがて藤原道長の娘・彰子が新たに后となり、宮廷の人々は次第に彰子に群がるようになりました。
そんな中で定子が清少納言に贈った一首が残っています。
みな人の 花や蝶やといそぐ日も わが心をば君ぞ知りける
現代語にすると「世間の人達が皆、花や蝶のような華やかなものに夢中になっているときも、あなただけは私の気持ちをわかってくれるのですね」という意味です。
ここに登場する「花や蝶や」という表現が、のちに言葉の形を変えていくことになります。
2ページ目 「花や蝶や」が縮まってチヤホヤに?
ページ: 1 2
