飾りではない!相撲の力士のまわしに付いた”のれん”みたいな「下がり」の目的と意外すぎるルーツ:2ページ目
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下がりも化粧まわしも、本来の目的は…?
そんなに簡単に外れてしまうということは、下がりは単なるまわしの「飾り」で、大きな意味のあるものではないのでは…?と考える人もいるかもしれません。
しかし相撲とは、土俵上のちょっとした所作にまできちんと意味があるものです。
下がりやその原型の化粧まわしもその例に漏れず、「大事なところを隠すため」という大切な目的がありました。
何らかの原因で取組中にまわしが外れた場合、その力士は「不浄負け」という反則負けとなりますが、同様に相手力士の大事なところをつかむのも反則であることは言うまでもありません。
化粧まわしが簡略化された下がりでは、万が一まわしが外れた際に隠す役割は果たせないかもしれませんが、「ココをつかむのは反則ですよ!」という意味で残されていると考えると、納得ですね。
関取と幕下以下の下がりにはこんな違いが!
さて本場所では、十両以上の関取は締込みと呼ばれる絹製のまわしを締め、幕下以下の「力士養成員」は稽古のときと同じ黒い雲斎木綿のまわしを締めて土俵に上がります。
このような関取と幕下以下の力士の違いは、下がりにも存在します。
実際の十両以上と幕下以下の取組の映像を見比べると、関取の下がりは蹲踞の姿勢を取るため左右に分けた時に後方へピンと張っているのに対し、幕下以下の力士の下がりは身体に沿って垂れ下がるくらい柔らかいことが見て取れます。
実は関取の下がりは「布海苔(ふのり)」で固められているのですが、幕下以下のものにはその加工が施されていないため、このような形状の違いが現れるのです。
布海苔で固めた下がりは、取組の最中に折れてしまったとしても、濡らしてまっすぐにして干せば元通りのピンとした形に戻るのだそうですよ。
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