「魂を揺さぶる悪い女」!?アイヌの“ことわざ“が想像以上にユニークだった
北海道から樺太・千島列島ひいてはロシアのカムチャッカまで、オホーツク沿岸に暮らし、独自の文化を築いてきたアイヌたち。
今回はそんなアイヌたちの”ことわざ”から、印象に残ったものをピックアップしてみました。
私たちがふだん使うことわざとの違いや共通点を見てみましょう。
※アイヌ語の発音については、参考程度にお願いいたします。
月に暈(かさ)がかかると雨が降る
チュプチセ アン コロ アプト アシ ペ ネ
これは私たちもよく使いますね。
月のまわりにぼんやりと光の輪をかぶせたようになると、翌日は雨になることが多いので、予定を立てる参考になるでしょう。
自分の上に木を倒す
ヤイカ ニ ホセ エカプ ネ
自分の上に木を倒したら、自分が怪我をしてしまいます。
転じて自分の行為が自分の害となること、特にその結果を考えない愚行について言及することが多いでしょう。
私たちも「天に向かって唾を吐く」などと言いますね。もう少し、後先考えて行動したいものです。
悪いものを引っ張る
ウェンペ エタイェ
と言われても、これだけでは、何のことだかよく分かりませんね。
これは私たちで言うところの「口は禍(やざわい)の門」と同じ意味のことわざです。
要らんことを言ってトラブルを招く行為を、例えば知らずに獣の尾を引っ張るような振る舞いに喩えたのでしょう。
濡れた昆布のように血の気が引いた
ウォロコンプ シコパヤラ
干した昆布を水で戻したような顔色って、よほど大変なことがあったのでしょうか。
昆布が身近な地方ならではの表現と言えます。
2ページ目 天から役目なしに降ろされたものは一つもない
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