「べらぼう」サイコパス道廣登場!蝦夷地を巡り誰袖も渦中に…そして屁!屁!屁…6月1日放送のクセ強すぎ笑:3ページ目
屁!屁!屁の狂歌オンパレード
「俺たちは、屁だぁ~!」
次郎兵衛兄さん(中村蒼)の屁をきっかけに、大田南畝(桐谷健太)のかけ声で始まった屁!コール。狂歌師らが次々と詠んだ屁!の歌を三つほど見てみましょう。
四方赤良(大田南畝)
七へ八へ へをこき井手の 山吹の
みのひとつだに 出ぬぞきよけれ
【歌意】七回も八回も屁をこいているが、山吹のように「実」の一つも出ていないと汚れることもない
本歌は「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき」。
かつて太田道灌(おおた どうかん)が村娘に蓑(みの。雨具)を貸してほしいと願い出るも、村娘が「花が咲いても『実の』ならない山吹のように、我が家には『蓑』がございません」と和歌で答えたエピソードが由来です。
ちなみに井手とは古くから伝わる歌枕。現代の京都府井手町にあたり、山吹の名所として知られます。
元木網(ジェームス小野田)
芋を食ひ 屁をひるならぬ 夜の旅
雲間の月を すかしてぞ見る
【歌意】芋を食って屁をひる(こく。昼にかけて「堂々と屁をこく」意)のではなく、夜中に雲間の月をすかし見るように、こっそりすかし屁をするのだ。
堂々と屁をひって周囲の顰蹙を買うか、あるいはこっそりとすかして、誰かのせいになるのを期待するか……単純に奥ゆかしいとは言い切れませんね。
智恵内子(水樹奈々)
芋の腹 こき出でてみれば 大筒(おおづつ)の
響きにまがふ(まごう) 屁い(兵)の勢ひ
【歌意】芋を食って屁をこいてみれば、大砲と間違えそうなほどの勢いで響き渡った。
本歌は法勝寺入道前関白太政大臣「わたの原 漕ぎ出でてみれば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波」ですね。
こちらは完全に語呂のシンクロ率で勝負。本歌が持つ大海原のイメージなんて、影も形もありません。それでいて本歌にまがふ響きが実に心憎い一首と言えます。
こういうノリが許せるかどうかで本作に対する評価が大きく変わりそうですが……これから始まる天明狂歌の世界を、みんなで堪能していきましょう!
