大河「べらぼう」鬼畜の母、地獄の過去…唐丸、毒母親との壮絶な関係を断ちついに喜多川歌麿が誕生!【前編】:4ページ目
虐待・暴力・売春の強要……鬼畜のような母親に育てられた唐丸
再度長屋を訪れた蔦重は、半裸で倒れている捨吉を発見。
乱暴な客でも、男でも女でも、誰彼構わずに体を売るような「この暮らしがいいってのは、早く死にてえからか?俺ゃお前がいなくなって悔やんだのよ」とまっすぐに想いをぶつけてくる蔦重に、捨吉はぼつぼつと初めて自分の身の上を語り出します。
〜「てめえだけ助かろうって肚だろ!そうはいくかってんだ!」〜
その半生はあまりにも酷く、「母親であれば誰でも我が子を愛する」などと常識のように言われる言葉があまりにも寒々しく感じる話でした。
唐丸は、夜鷹の母親が身籠り、堕ろそうとしてもなかなか堕りず、しかたなく生んだ邪魔な赤ん坊でした。「食べていくのもやっとなのに、不要な子」と憎みながら育て、まだ子どもなのに「てめえの食い扶持はてめえでかせげ」と、連れてきた男性客に体を売らせる。
さらに、自分のヒモが浮気をすると腹いせに唐丸を殴る。体を売った唐丸が金を稼ぐと、酒を飲みながらご機嫌になり、「おっぱい飲むかい」と乳を押し付けるというおぞましさです。それでも、機嫌のいい母親に抱かれて唐丸も少し嬉しそうなのが切なく感じました。
そして「絵師・鳥山 石燕(片岡鶴太郎)の弟子になれるかも」という唐丸にとっての「救いの糸」がみえたのに、それを許さず暴力を振います。
そんな地獄で起きた江戸の大火。鬼畜な母親が倒壊した家の下敷きになり這い出した唐丸の足を掴み、「てめえだけ助かろうって肚だろ!そうはいくかってんだ!」と叫びます。実の母親なのにここでそのセリフが出てくるという、あまりのあさましさ、外道ぶりに鳥肌が立つような場面でした。
「あんたは、鬼の子だからね!」という母の叫び。自分はこのまま焼け死ぬと思ったのか、最後に実の子にかける言葉が、生涯忘れないような「呪詛」の言葉でした。
「鬼はてめえだ!」と思った視聴者は多いのではないでしょうか。筆者も、唐丸にはこの母親に関わる全ての記憶を無くして欲しいと思いました。
そんな地獄で生きてきた唐丸を「助ける」と覚悟を決める蔦重。
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