
これぞ武士の妻!江戸時代、夫と共に討ち入り!死線を乗り越えた女房の武勇伝【葉隠】:2ページ目
夫婦揃って討ち入り
しばらくすると戻ってきた高木妻。二人の子供を寝かしつけ、松明を作ってきたと言います。
そして日もとっぷりくれた頃、いよいよ身支度を整えました。
「先ほど偵察してきたところ、かの三人は一箇所に集まっていました。そろそろよい頃合いですから、この機を逃さず参りましょう!」
言うなり高木妻は松明を灯して先に進み、夫婦揃って討ち入りに向かいます。
「さぁ、乗り込みますよ!」
「応!」
高木夫婦は一気呵成に三人が屯す中へ殴り込みました。
「昼間の遺恨、覚えがあろう!」
「「「すわっ、逃げろ!」」」
「「おのれ、逃がさぬぞ!」」
逃げ惑う農民らを散々に斬り立てた高木夫婦。結局、二人を斬り捨てて一人は負傷の上で逃走。恐らく奉行所へ逃げ込んだのでしょう。
斬捨御免の要件を満たさないため、高木何某は切腹となります。
(※)斬捨はその場で行わねば、後からの報復は卑怯未練の振る舞いとして罰せられました。
遺された二人の子供を抱えながら、高木妻はさぞかし苦労したことでしょう。