日本人女性は従順で儚い存在?欧米の日本人女性に対するイメージにも影響を与えたピエール・ロティ【前編】:2ページ目
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『蝶々夫人』の成功により、日本女性のイメージはさらに強化されました。
その一方で、ロティが日本文化をどれほど深く理解していたかというと、実際には表面的な理解に過ぎなかったと言えます。ロティは「鹿鳴館のパーティ」を目撃し、その様子を『秋の日本』に記録していますが、その中で日本人のダンスや文化を「自動人形のよう」だと表現しています。
また、自らの姪に宛てた手紙では、日本を「退屈だ」と感じていたことを明かしています。このように、ロティは日本文化や風習に対する理解が浅かったため、彼の作品に描かれる日本文化は本質的な部分を欠いているという批判もあります。
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日本人女性は従順で儚い存在?欧米の日本人女性に対するイメージにも影響を与えたピエール・ロティ【後編】
【前編】の記事はこちら↓[insert_post id=243829]ロティは西洋人としての視点から日本を観察し、その視点で描かれた作品を通じて日本文化を紹介しました。しかし、その視点はあくまで西…
参考文献
- 野上豊一郎訳 『お菊さん』(1915 新潮社、岩波文庫 復刊)
- 馬渕明子『舞台の上のジャポニスム―演じられた幻想の<日本女性>』(2017 NHK出版)
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