
実は勘違いによる暴走!?江戸時代「大塩平八郎の乱」は正義どころか民衆にとって大迷惑の災害だった【後編】:2ページ目
庶民視点での評価
愛知淑徳大の荻原大地助教(近世文学)によると、出版統制下に流布した『近世実録』の中には、大塩の乱を「赤眉黄巾の乱の賊に似たり」と中国・漢代の反乱になぞらえた一文があります。
他にも「癇癪の一旦おこりて乱坊と変化せし」と記したものもあり、大塩の乱は、単なる彼個人の暴発とみなされていたことが分かります。
荻原助教は「大塩を好意的に評価したものはほとんどなく、残虐さを強調した作品さえある。大塩にとって義挙でも、庶民は家や財産を失った。実録には、庶民の等身大の気持ちが反映されている」と解説します。