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大河『べらぼう』実らなかった禁断の初恋…蔦屋重三郎(横浜流星)と瀬川(小芝風花)の関係は史実?

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蔦屋重三郎の妻子について

いっぽう傷心の蔦屋重三郎。大河ドラマでは後に江戸市中に店を構える本屋の娘・てい(橋本愛)と結婚することになりますが、その実名や出自については不明です。

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菩提寺である正法寺(しょうほうじ。東京都台東区)の過去帳によると、彼女の戒名は錬心妙貞日義信女(れんしんみょうてい にちぎしんにょ)。文政8年(1825年)10月11日に亡くなっていました(享年≒生年不詳)。

子供については、番頭を務めていた勇助(ゆうすけ)を養子にして、二代目・蔦屋重三郎を襲名させています。しかし実子がいたのかは分かっていません。

北尾重政『絵本吾妻抉(えほん あづまからげ)』では、恵比寿講を開いて妻子と共に恵比寿様を拝む蔦屋重三郎の姿があり、その脇に妻子と思しき姿があります。

この子供は勇助なのか、それとも別の子(実子?拾い子?)なのかは分かりませんが、大河ドラマではどのように蔦屋重三郎の家族が描かれていくのでしょうか。

終わりに

今回は悲恋に身を焦がした蔦屋重三郎と五代目瀬川の関係とその後について紹介してきました。

史実の流れを知っていてもなお「もしや」と固唾を呑ませ、史実通りに回収していく巧みな脚本に感じ入った方も多いのではないでしょうか。

「おさらばえ」と大門を出て行った瀬川が、再び大河ドラマに登場するのか、気になるところです。

ところで蔦屋重三郎が偽造した通行切手の名前「しお」とは、かつてあざみ(少女瀬川)に贈った赤本『塩売文太物語(しおうりぶんたものがたり)』のヒロイン「小しお」からとったものでしょう。

名前の部分をちぎりとって蔦重に返した瀬川が、その名前で再登場するかも……と期待せずにはいられません。

助八(小しおの相手役)にはなれなかった蔦屋重三郎。初恋とは往々にして実らないもの、だからこそ人々の胸を打ち、二人が真のソウルメイトとなっていく可能性を感じさせる展開でした。

※参考文献:

  • 安藤優一郎『蔦屋重三郎と田沼時代の謎』PHP研究所、2024年7月
  • 太田記念美術館学芸部編『蔦屋重三郎と天明・寛政の浮世絵師たち』浮世絵太田記念美術館、1985年2月
  • 三田村鳶魚『江戸の人物 史実と芝居と』青蛙房、1956年3月
 

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