
天皇の「万世一系」をくつがえす衝撃の学説!古代の天皇家に王朝交代はあったのか?【前編】
古代史学界に衝撃を与えた騎馬民族征服王朝説
古代の日本がどのようにして始まり、誰が国を築いてきたかについて書かれたものといえば『古事記』と『日本書紀』ですね。この2書を「記紀」と呼ぶことも多いです。
その記紀には、日本列島が神々によって創造されたのち、神々の子孫であるカムヤマトイワレヒコノミコトが九州の日向から東征し、大和の地を平定したと記されています。
このカムヤマトイワレヒコノミコトが初代天皇の神武天皇であり、以来、今日まで天皇家は万世一系で皇位を守り続けてきたということです。
建国から約2700年!?現存する中で世界一古い国が「日本」である理由
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今回は、これに対立する「騎馬民族征服王朝説」「三王朝交代説」という学説を前編・後編に分けてご紹介しましょう。
1947年、東北アジア史の大家・江上波夫が「騎馬民族征服王朝説」を唱え、それまでの定説とは異なる仮説を唱えました。
この説によれば、日本の古代国家を形成した天皇家の先祖は、東北アジアから朝鮮半島を経由して渡来した騎馬民族だということです。
より具体的には、4世紀の初めに崇神天皇を中心とする騎馬民族が九州に上陸し、4世紀末ないし5世紀の初めに東進したというもの。
彼らは畿内に応神王朝を開きましたが、その間に朝鮮半島南部の任那地方にいた彼らの旧勢力が衰退し、任那が新羅や高句麗に圧迫されるようになりました。
そこで、日本から任那へ外征軍を起こして旧勢力を回復した、というのです。