熱海から小田原まで160分!明治〜大正時代に活躍した「熱海軽便鉄道」の歴史をたどる:2ページ目
熱海軽便鉄道の乗り心地や評判は?
こんな歴史をたどった熱海軽便鉄道。その乗り心地と言えば、あまり快適とは言い難かったようです。
蒸気機関車なので煤煙がひどく、汚れや匂いを防ぐために夏でも窓は閉め切らねばなりません。
もちろんエアコンなんてないので蒸し風呂状態。換気もできないので息苦しそうです。
客車の天井は低くて立つ時は中腰でなくてはならず、長時間の乗車は大変だったことでしょう。
蒸気機関車の馬力が弱かったため、急勾配の地点では後退しそうになったとも言います。
またグリップも悪かったのでレール上に枯葉が落ちていても滑って進めず、運転士がいちいち下りて拾わなければなりませんでした。
紅葉の季節とか、山中を走り抜けるのはさぞ大変だったことでしょうね。
大変だったのは乗客だけでなく、蒸気機関車の煤煙にうんざりした近隣住民が怒りのあまり蒸気機関車を襲撃した事件もあるそうです。
気持ちは分からないでもありませんが、蒸気機関車の構造上どうしようもなかったのではないでしょうか。
