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戦国武将・織田信長は本当に”革命児”だったのか? 最新研究でわかった信長の本当の姿

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講談や小説で生まれた「革命児・信長」

織田信長が「革命児」として強調される背景には、江戸時代以降の講談や小説の影響があります。これらの物語では、信長はあえて残酷に描かれることで「冷酷なカリスマ性」が強調され、物語としての魅力を高めました。

こうして、信長は単なる戦国武将のイメージから「時代を変えた英雄」へと変貌を遂げたのです。

信長は本当に革命児だったのか?

では、信長は本当に「革命児」だったのでしょうか? 結論としては「そうとも言えるし、そうとも言えない」のかもしれません。

確かに信長は新しい政策や戦術を積極的に取り入れましたが、それらは戦国時代の武将として合理的な判断をした結果とも言えます。

信長が何かを壊して全く新しい時代を作ったというよりも、「新しい要素を既存のルールにうまく取り入れたリアリスト」だったのです。

信長が現代に残したもの

信長が行った政策や戦術は、その後の時代に大きな影響を与えました。楽市楽座によって自由な経済活動が促進され、鉄砲を活用した戦術は戦国時代の戦い方を変えました。彼が生きたのはわずか49年でしたが、その影響は日本の歴史に深く刻まれています。

「革命児・信長」というイメージも面白いですが、実際の彼はもっと現実的で、冷静な判断力を持った武将だったのかもしれません。歴史を学ぶときは、「イメージ」と「事実」を区別して考えることが大切です。

織田信長という人物をもう一度冷静に見つめてみると、意外な一面が見えてくるかもしれませんね。

参考文献

  • 藤木久志編『〈戦国大名論集17〉織田政権の研究』(1985 吉川弘文館)
  • 長屋隆幸「長篠の戦い」『信長軍の合戦史』(2016 吉川弘文館)
  • 西ヶ谷恭弘『考証 織田信長事典』(2000 東京堂出版)
  • 日本史史料研究会編 『信長研究の最前線』(2014 洋泉社)
  • 日本史史料研究会, 渡邊 大門 編『信長研究の最前線2』(2017 洋泉社)
 

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