なんと犬が伝達の使者に!?変装、暗号……戦国時代の「密書」はどのように届けられていたのか?:2ページ目
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変装して配達
こうした密書を届けるための基本的な作戦として、使者は僧侶や山伏といった武士以外の姿に変装しました。
特に、僧侶のような宗教関係者は俗世間とは一線を画する存在だったので、監視の目がいくぶん緩やかだったようです。実際、忍者もよく僧侶に変装したといわれています。
しかし、変装をするだけでは作戦として十分とは言えません。使者が敵に捕まった際、密書が簡単に見つかっては元も子もないからです。
そこで、笠の緒の中などの僅かなスペースに密書を入れたり、着物の襟の中に縫い込む、髪の中に隠すなどの方法が採られることもしばしばでいた。
暗号や犬も使われた
さらに密書は誰でも読めるものではなく、味方にしか通じない暗号で記されました。
用心を重ねて、最重要事項だけは紙に書かず、使者に口頭で伝えさせるケースもあったようです。
確実に密書(情報)を届けるためには、念には念をいれた作戦が必要不可欠だったのです。
ちなみに岩付城主の太田資正は、居城である岩付城と属城としていた松山城に五十匹ずつの犬を飼っており、それぞれの城や砦の間を行き来させて道を覚えさせていました。
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そしていざという時に、密書を入れた竹筒を首に結びつけた犬を野に放ち、伝令として使ったそうです。伝書鳩ならぬ伝書犬ですね。
参考資料:歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
画像:photoAC,Wikipedia
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