
戦時中に発行された「軍票」とは?紙幣の代わりなのに精算されなかったのはなぜ?
通貨の代わりだった「軍票」
戦時中に政府または軍によって発行された特別な紙幣の一種に、軍票(正しくは軍用手票)と呼ばれるものがあります。
軍票とは、自国外の戦地や占領地で軍隊が物資を調達するときに使うもので、紙幣というよりは、いわば預かり証や約束手形のようなものでした。
本国の通貨を流通させればいいんじゃない? と思われるかも知れません。しかし多額の本国通貨が国外で流通すれば、本国でその分だけ通貨を増発しなければならないためインフレーションとなります。
敵方に渡れば謀略に使用される危険があったので、本国通貨を使用するわけにはいかなかったのです。
ではこの軍票、どのように使われていたのでしょうか。また、これらは預かり証・約束手形としてその後は支払いは行われたのでしょうか?