
配達に1ヶ月?荷物なくなる!?江戸時代、民間の「町飛脚」はなかなかリスキーなサービスだった…
以前、幕府の老中など偉い人のみが使える超重要公文書を運ぶ幕府公用の飛脚「継飛脚(つぎびきゃく)」について紹介しました。江戸から京都まで500km近くある距離を60〜80時間で走破するほどだったと言います。
江戸時代の飛脚がハンパない!江戸から京都をわずか3日で走破していた幕府公用の継飛脚とは?
自転車も車も電車もなく、頼りにできる運送手段は人の脚のみだった江戸時代。そんな時代に己の脚ひとつで日本全国を駆け回り、大切な手紙や荷物を運んだ「飛脚」。今回はそんな彼らの中でも半端ない速さだ…
では一方、民間が設けた「町飛脚(まちびきゃく)」はどうだったのでしょうか?今回は庶民のための町飛脚についてご紹介します。
町飛脚の種類
町飛脚は主に江戸・京都・大坂三都で発達しました。様々な種類がある中、江戸では「定飛脚」という江戸〜大坂間を定期的に往復する町飛脚が発達していました。
定飛脚の中でも、速度によって種類が分かれていました。「幸便(こうびん)」、「並便(なみびん)」、「仕立便(したてびん)」、「催合便(もやいびん)」の4種類です。
1番安価なのが「並便」で、一応「十日限(とおかかぎり)」つまり「10日で届けます」とは謳っているのですが、実際には空きがあれば便に乗せるという感覚で、現実20〜30日かかるのは当たり前でした。そんな状態ですから、たまには書状や荷物が無くなってしまうこともあったとか。
ちなみに安価とはいえ書状1封で銀3分。これは金1両=10万円とすると、500円に相当します。500円払って1ヶ月もかかるしもしかしたら無くなっちゃう可能性もあるなんて、ものすごく高いように感じます・・・。
また、幸便は月に9回出発日が決まっており、その中で1番早い「六日限(むいかかぎり)」だと書状1封につき銀2匁。同じく金1両=10万円だとした場合、銀2匁は約3千3百円ほど。ちなみに「六日限」とは言っていますが、実際には9日ほどはかかったそう。
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