もう我慢できない!未亡人となった兄嫁に猛烈アタックしてしまった平安貴族・藤原惟貞のエピソード【光る君へ 外伝】:3ページ目
二人はその後……。
かくして未亡人となった兄嫁・高子との再婚を果たした惟貞は、後に明賢(みょうけん。僧侶)・藤原範信(のりのぶ)を授かりました。
もしかしたら、道長も二人の関係を分かって黙認していたのでしょうか。
「すぐにも一緒になりたい気持ちは分かるが、せめて喪が明けるまで自重せぇよ」と。
これだけしつこいアプローチにも関わらず高子が嫌がらなかったのは、惟風の生前から二人の関係が続いていた可能性も考えられます。
ちなみに藤原高子は藤原儷子(れいし/うるわしこ)や藤原灑子(読み同じ)などとも呼ばれていました。
改名または別名を用いた時期は不明ながら、惟貞との不倫関係が何か影響しているのかも知れません。
藤原惟貞・基本データ
- 生没:生没年不詳
- 両親:藤原文信/母親不詳
- 兄弟:藤原惟風、本人、藤原惟忠、女子(源奉職室)
- 官職:山城権守、尾張権守、遠江権守
- 妻妾:藤原高子(のち藤原儷子or灑子)
- 子女:明賢(僧侶か)、藤原範信?(明賢の子説も)
終わりに
今回は兄嫁と恋仲になり、兄の死をキッカケに暴走?してしまった藤原惟貞について紹介しました。
惟風の喪が明けるまで我慢できなかったのでしょうね。何とも微妙な気分です。
NHK大河ドラマ「光る君へ」に彼らが登場することはないでしょうが、画面のどこかで活躍してないかな?……と、つい隅っこを覗き込んでしまいます。
※参考文献:
- 倉本一宏『平安京の下級官人』講談社現代新書、2022年1月
- 山中裕『平安時代の古記録と貴族文化』思文閣出版、1994年