【光る君へ】藤原道長の家司を務めた藤原惟風とはどんな人物?その生涯をたどる:3ページ目
死後、高子は惟貞と……。
かくして世を去った藤原惟風。未亡人となった高子は長和4年(1015年)4月、義弟である藤原惟貞との不倫が発覚します。
道長は怒って惟貞を土御門第の門前で晒しものとしました。
「そなたは極めて不都合な者である。前にも彼女の家に押しかけ、今回は牛車に乗り込んで暴行を働くとは……」
そんな危険人物ならもっと厳罰に処してもよさそうなものです。しかし暫く経つと、道長は惟貞を釈放します。
恐らく「再婚したければ構わないが、せめて喪が明けるまでは我慢しろ」ということだったのでしょう。
果たして惟貞は高子と再婚。こちらも子供をもうけています。
終わりに
今回は藤原道長に仕えた家司・藤原惟風について紹介してきました。
最初は忠実に仕えていた武骨な部下が、妻を通じて三条天皇に取り込まれ、粛清された人生が目に浮かぶようです(諸説あり)。
NHK大河ドラマ「光る君へ」には出て来ないと思いますが、どこかに惟風がいないか、画面の隅っこを探してみたいと思います。
※参考文献:
- 倉本一宏『平安京の下級官人』講談社現代新書、2022年1月
- 山中裕『平安時代の古記録と貴族文化』思文閣出版、1994年