銀座に「観世能楽堂」ができます!銀座の再開発プロジェクトで新たな文化拠点に
銀座の松坂屋デパート跡地で、銀座エリア最大級の再開発プロジェクトが進んでいます。その名も『銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業』プロジェクト。
「Life At Its Best〜最高に満たされた暮らし〜」をコンセプトに、松坂屋銀座店の跡地を中心とした1.4haの街区に、東京を代表する国際的な商業・オフィス・観光拠点が出現します。
このプロジェクトで特に注目されているのが地階にできる『観世能楽堂』。新たな文化拠点として、ここから日本の最高の芸術を世界に発信します。
能楽は、古くは奈良の興福寺や春日大社などの神事に由来し、室町時代に観阿弥・世阿弥親子が現在の能楽の形に大成しました。そして以後、室町幕府の将軍達、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らにも重んじられてきました。
現在は、能の五大流派といわれる『観世(かんぜ)流』『金春(こんぱる)流』『宝生(ほうしょう)流』『金剛(こんごう)流』『喜多(きた)流』のほかに、能の三役(ワキ方、囃子方、狂言方)といわれる十九の流派があります。
観阿弥・世阿弥父子の世阿弥は、現実の人間のみが登場する『現代能』に対し、霊的な存在を主人公とした『夢幻能』という独特のスタイルを確立しました。世阿弥が著した『風姿花伝(ふうしかでん)』は、日本美学の古典として、600年を経た現代も世界の芸術家達に感銘を与え続けています。
よく知られている世阿弥の言葉です。
「初心忘るべからず」 … 若い時に失敗や苦労した結果身につけた芸は、常に忘れてはならない。
「秘すれば花」 … 誰も知らない秘密の芸を持ち、いざという時の技にする。
『無』の空間からドラマが生まれ、それがまた『無』に戻り、鎮まるのが能の哲学。これは『禅』の精神にも共通するものです。
国立能楽堂では、初心者向けの能のワークショップも行われています。そして全国で謡(うたい)や仕舞(しまい)などのお稽古も開催しています。
銀座に新しい『観世能楽堂』が完成する前に、能に親しんでおくのもいいですね。