男娼ガイドブックに男色小説…実は生粋の男色家だった発明家・平賀源内による男色系作品の数々【後編】:3ページ目
変わり者の天才を惜しむ友人の言葉
友人として源内の葬儀を執り行った杉田玄白は、故人の過日を偲んで源内の墓の隣に彼を称える碑を建てました。1943年(昭和18年)に国の史跡に指定された碑には、以下のように記されています。
平賀源内 碑銘(杉田玄白 撰文)
「嗟非常人、好非常事、行是非常、何死非常 」
(ああ非常の人、非常の事を好み、行ひこれ非常、何ぞ非常に死するや)
(大意)ああ、何と変わった人よ、好みも行いも常識を超えていた。どうして死に様まで非常だったのか
(非常の人云々は、前漢の司馬遷『史記』「列伝」司馬相如列伝からの引用。)
長年の親友、源内の逝去を惜しむ玄白の思いが伝わってくるような言葉です。