天皇の皇位継承の証「三種の神器」は本当に実在する?今どこにあるの?その由来と現況を解説

歴史 好き太郎

「三種の神器」のラインナップ

「三種の神器」とは、皇位のしるしとして天皇に代々継承されてきた三種類の宝物です。

しかしこれらの名前存在は多くの人に知られているものの、現在どこにあるのか、観ることは可能なのかどうかについてはしっかり認知されているとは言い難いところがあります。

今回は、この三種の神器の概要と、その現況について説明しましょう。

三種の神器のラインナップは「八尺瓊勾玉」(やさかにのまがたま)、「草薙剣」(くさなぎのつるぎ)、「八咫鏡」(やたのかがみ)の三つで、いずれも天孫降臨とともに天照大神から授与されたと伝えられてきました。

それぞれ、剣は神の鎮座の象徴であり、鏡は太陽神の来臨を意味し、勾玉は月神の象徴とされています。

ところで、もともと古代においては、天皇家以外の権力者も鏡・玉・剣を支配権の象徴として用いていました。

しかしそれが天皇特有のしるしになったのは、七世紀頃のことだと考えられています。新天皇がそれぞれ神の象徴である三種の神器を受け継ぐことによって、神聖体となったことを象徴するようになったのです。

そして、これらの神器を継承した王が太陽神のように陸を統治し、月神のように海を統治することができるとされました。これを踏まえ、律令にも三種の神器が皇位継承のしるしであると明記されるようになったのです。

名実ともに「三種の神器」に

もっとも、三種の神器が皇位継承のしるしとして周囲の人々に強く意識されるようになったのは、14世紀半ばの南北朝時代以降のことです。

当時は皇位の正当性が問題になった時代だっただけに、皇位継承のしるしを受け継いでいるかどうかが大きな政治的争点になったのでした。

そんなこともあって、「三種の神器」という言葉自体は古文書である古事記・日本書紀などには使われておらず、日本書紀では「三種宝物」という言葉で称されています。

名実ともに、三つの神器が「三種の神器」となったのは、意外と後になってからの話なんですね。

2ページ目 神器は現在どこにある?

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