なんと織田信長の死を予言!僧侶、預言者、戦国大名といくつもの顔を持つ天才軍師「安国寺恵瓊」という男:3ページ目
戦国大名として
さらに文禄・慶長の役では、その石高に見合う軍勢を率いて大名として出陣しており、加藤清正が籠城した蔚山(ウルサン)救出に一役かっているほどです。
外交型軍師としての恵瓊の活躍として特筆されるのは、やはり、慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いのときでしょう。恵瓊は石田三成方の中心となり、毛利輝元を西軍の総帥に迎える大きな役割を果たしました。
9月1日の合戦当日には、毛利秀元・吉川広家が布陣する南宮山の麓に自ら出陣しています。
しかし、西軍敗北とともに戦場離脱をしたものの捕えられ、のち処刑されるという最期を迎えました。
こうして彼の足跡を辿っていくと、同時代に生きていた信長の破滅や秀吉の活躍を予見するなど、時代の先を読む慧眼に優れていたことが分かります。
参考資料:『歴史人 2022年5月号増刊 図解 戦国家臣団大全』2022年5月号増刊、ABCアーク
画像:photoAC,Wikipedia