なぜ縄文遺跡は山間部のような不便な場所に多い?現代人には理解しがたい古代の不思議:2ページ目
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水の問題
またもうひとつ、縄文時代の遺跡がある場所の特徴として、水を汲める場所が近くにあったことも挙げられます。
言うまでもなく水は人間にとってなくてはならないものです。昔は水道がないため、生活のための水汲みは毎日の日課だったと思われます。
このため、人々は水汲みの苦労を少しでもやわらげるため、川の近くに住んで川の水を利用していました。そして、そこに集落が作られていったのです。
大昔から、人は生きるために欠かすことのできない飲み水や魚などの食料を川に求めてきました。また、やがて農業を始めるようになると、そのために必要となる用水を川から引くようになります。
一方で、川は重要な交通路でもありました。船を作ればたくさんの人や荷物を運ぶことが可能となり、険しい山に阻まれることなく、スピーディーに運搬することができました。
集落の生活維持という大きな目的とは別に、河川を活用した運搬・交易なども行われるようになっていったのでしょう。こうして縄文時代の世界は広がっていったのです。
参考資料:
・歴史の謎研究会『舞台裏から歴史を読む雑学で日本全史』2022年、株式会社青春出版社
・公益社団法人日本河川協会
画像:photoAC
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