江戸吉原の遊女が客に本気を伝える「心中立て」で行われた「切指」その凄まじい方法とは?:2ページ目
「心中立て」の中でもよく行われていた「切指」その凄まじい方法とは?
中でも、その凄まじさもあってよく知られているのは、遊女が自分の小指を切って客に渡す「切指」ではないでしょうか。
その方法は、これまたかなり壮絶なものでした。
まず遊女は小指を木枕などの第に乗せ、そこにカミソリをあてておきます。そこへ遣手ばばあや番頭新造などが、鉄瓶などを力任せに叩きつけたというのです(!)。
この時、部屋の障子は閉め切っておくのが定番でした。というのも、切った指が遠くへ飛んでしまうと、見付からなくなってしまうことがあったからでした。飛んだ指が見つからなくなり、客の男が承知しないので他の指を切り落とした、なんて悲惨な話もあるくらいです。
指を切られた遊女は気絶することが多かったため、止血薬・水・銀紙などに加えて「気付け」の薬もあらかじめ用意されていました。当時の吉原には、これらの指を切るための道具一式を売るお店まであったというから驚きです。
それだけ「切指」は、遊郭ではポピュラーな「心中立て」の方法だったのです。