手洗いをしっかりしよう!Japaaan

【光る君へ】親友・紫式部のイタズラにぷんぷん!藤原彰子に仕えた『宰相の君 (藤原豊子)』とはどんな女性?

【光る君へ】親友・紫式部のイタズラにぷんぷん!藤原彰子に仕えた『宰相の君 (藤原豊子)』とはどんな女性?:3ページ目

亡き夫を偲ぶ

そんな豊子は和歌にも巧みで、『後拾遺和歌集』に1首が入選しています。

赤染、匡衡に遅れ侍りて後、五月五日に詠みてつかはしける 美作三位

墨染の袂はいとどこひぢにてあやめの草のねやしげるらむ

※『後拾遺和歌集』哀傷 582

【意訳】墨染(僧侶の法衣)の袂はとても濃地で色濃く、菖蒲(あやめ)の根が繁っています。

【真意】夫を喪い出家したものの、恋しさを袂(たもと)に抱えながら独り寝ています。
※解釈は諸説あり。

濃地を恋路にかけ、菖蒲の根に寝をかけて独り寝の寂しさを詠んだのでした。

注釈にあるとおり、豊子は赤染衛門(あかぞめゑもん)と大江匡衡(おおえの まさひら)夫婦と交流していたことが分かります。

二人は有名なおしどり夫婦でしたから、独り身の寂しさが身にしみたのかも知れませんね。

終わりに

今回は紫式部の親友・藤原豊子についてそのエピソードを紹介してきました。

果たして豊子はNHK大河ドラマ「光る君へ」に登場するのか、誰がキャスティングされるのか、今から楽しみですね!

※参考文献:

  • 石井文夫ら訳・校註『新編日本古典文学全集26 和泉式部日記 紫式部日記 更級日記 讃岐典侍日記』小学館、1994年9月
  • 上原作和『紫式部伝-平安王朝百年を見つめた生涯』勉誠社、2023年10月
 

RELATED 関連する記事