まひろ、ついに結婚へ…宣孝が『源氏物語』キャラのモデル?大河ドラマ「光る君へ」6月16日放送振り返り:2ページ目
改めて、藤原宣孝について
前回まひろに求婚した藤原宣孝。最初期からずっと登場している腐れ縁ですが、この時点ではどんな状況だったのかを確認しておきましょう。
宣孝は従五位上・右衛門権佐(うゑもんのごんのすけ)として京都にいました。
右衛門権佐とは内裏の門を護衛する衛門府の次官(佐-すけ)です。
まひろの父である藤原為時(岸谷五朗)が従五位下・越前守なので、位階において一歩リードしていますね。
以前に言及していたように、妻は三人いました。
それぞれ藤原顕猷女(あきみちのむすめ)・平季明女(すえあきらのむすめ)・藤原朝成女(あさひらのむすめ)。
『尊卑分脈』によれば母親不詳の子供がいるため、その子たちを生んだ妾などがいる可能性もあります。
年齢差は父娘ほども離れており、むしろ嫡男である藤原隆光(たかみつ)の方がよほど釣り合いそうです。
しかし夫婦は相性もありますし、和歌のやりとりなどを見ても紫式部の夫として、宣孝は悪くなかったのかも知れませんね。
宣孝が『源氏物語』キャラのモデルに?
彼の名前は伊予介(いよのすけ)。その名が示す通り伊予国の国司次官ですが、妻の空蝉君(うつせみのきみ)とは父娘ほども年齢差がありました。
冴えない受領(ずりょう)階級の、しかもおっさん……世が世なら(ちゃんとした後ろ盾があれば)もっといい婿をとれたであろうに、空蝉の憂鬱は察するに余りあります。
そこへ主人公のスーパーエリートマザコンパーフェクト美男子の光源氏がやって来て、あっさり寝とってしまうのでした。
この夢展開?は、紫式部の願望だったのかも知れません。
後に空蝉君は光源氏の求婚を断り、夫との余生を選ぶのですが、これは夢から現実に戻ろうとする自分自身になぞらえたのでしょうか。
あるいはちょっと考えにくいものの、光源氏は愛妻の紫上(むらさきのうえ)を妻候補として幼少期から養育していたため、宣孝と自分の関係をモデルにしたのかも知れませんね。女性にマメなところとか、似ている点もありますし。