自己犠牲をいとわない英雄の決断!30倍の戦力差を覆した伝説の足軽「鳥居強右衛門」:2ページ目
戦国日本の走れメロス
作戦決行は真夜中。暗闇に乗じて城を出た鳥居強右衛門は、寒さが残る春の川へ飛び込みます。
川には鳴子のついた縄が張り巡らされており、触れると音が鳴って敵に見つかる恐れがありました。この罠を見事に掻い潜り、対岸に上陸した鳥居強右衛門は山に登って狼煙を上げます。
この狼煙は川の横断成功を示す合図であり、これを見た城内は歓声に沸き立ちました。
それから鳥居強右衛門は、65kmの道をたった1日で走り抜けて岡崎城に辿り着きます。
自己犠牲の英雄
疲労困憊になりながら岡崎城に到着した鳥居強右衛門を出迎えたのは、徳川家康と同盟軍の織田信長でした。
徳川家康と織田信長は援軍の手配を約束。鳥居強右衛門は、岡崎城で待機を言い渡されます。しかし、彼は「一刻も早く長篠城へ戻り、仲間に援軍を知らせたい」と志願したのです。
そして65kmの道を戻った鳥居強右衛門ですが、最後の川の前で敵兵に見つかってしまいます。味方の振りをして誤魔化そうとしますが、武田軍の合言葉に反応できず囚われの身に…
拘束されて敵将の前に突き出された鳥居強右衛門は、とある取引を持ちかけられます。それは、城内に援軍は来ないと嘘の証言をしろというものでした。