教科書からすでに「士農工商」は削除!実は身分制度・身分序列を表す言葉ではなかった【後編】:2ページ目
身分の違いも金次第?
ところで、農工商の人々と比べて士(武士)は明らかに上位でしたが、身分間の壁は低く、お金を払うと武士になることができました(十分の購入)。
ただ、この「身分が買えた」という表現も微妙なニュアンスで、お金があれば誰でも簡単に転職できたという意味ではありません。
江戸時代の身分は「個人」ではなく「家」を単位として決定されていました。長男は家を継ぐ者として身分が固定されていますが、次男以下はその家に属します。
そして、その家にいるかぎり、次男以下は妻を持つことができませんでした。 他家に養子に行くことによって、その養子先の家を継ぎ、晴れて独立生計を立てることができたのです。
で、養子に入るときには持参金を用意するのが当時の慣習で、これをもって「身分を買うことができた」ということです。