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紫式部、結婚に踏み切る!ふられてもラブレターを送り続けた藤原宣孝の一途さ…「光る君へ」でどう描かれる?

紫式部、結婚に踏み切る!ふられてもラブレターを送り続けた藤原宣孝の一途さ…「光る君へ」でどう描かれる?:2ページ目

つれない式部

紫式部が宣孝との恋愛に躊躇した理由は、年齢のことだけではありません。宣孝には正妻だけでなく複数の妻がおり、彼女たちとの間に少なくとも5人の子どもがいました。

さらに宣孝は女好きだったと言われており、女性関係の噂が絶えませんでした。

それだけを見るととんでもない男のようですが、それでも彼はマメな性格だったようで、式部を振り向かせるべく越前へ何度も手紙を送り続けています。

『紫式部集』には、京にいる宣孝と、越前にいる式部との間で交わされた和歌のやりとりが収められています。式部の詠んだ歌としては、以下のようなものがあります。

 近江守の女(むすめ) 懸想すと聞く人の「二心なし」など 常に言ひわたりければ うるさくて
 (近江守〈滋賀県の国司〉の娘に言い寄っていると噂される人が、「あなただけです」などといつも言ってくるのがわずらわしいので)

 みづうみに 友よぶ千鳥 ことならば 八十の湊(やそのみなと)に 声絶えなせそ
 (湖で友を呼ぶ千鳥さん、どうせなら、いろいろな場所で、たくさんの女性に声をおかけなさい)

 よもの海に塩焼く海人の心から焼くとはかかる なげきをやつむ
 (あちこちの海辺で塩を取るために、投げ木=焚き木を集めて焼く海人のように、あなたは自分からいろんな人に言い寄って、嘆きを重ねているのでしょう)

3ページ目 越前を離れて結婚へ

 

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