劇中の略年表紹介、後に皇子を産む定子、藤原道長がついに頂点へ…大河ドラマ「光る君へ」5月5日放送の振り返り:3ページ目
さわ、筑紫へ
以前にさわ(野村麻純)が平惟将(これまさ)の娘であろうという話をしました。
父の肥前守赴任にともない、彼女も京都を離れることになります。
彼女は姉妹同然に交流していた紫式部に対して、遠く離れる寂しさを詠んだのでした。
西の海を 思ひやりつつ 月みれば
ただに泣かるる 頃にもあるかな※『紫式部集』より (六)筑紫へいくひとのむすめの
【意訳】この頃は、遠く九州へ離れていくのだと思いながら月を見上げると、無性に泣いてしまうのです。
九州でも京都でも、見上げる月はきっと同じ。そう思って月を見上げても、どうしても悲しさが堪えきれないのでしょう。
彼女の胸中を察した紫式部は、こんな返歌を贈ります。
西へゆく 月のたよりに 玉章(たまづさ)の
書き絶えめやは 雲の通ひ路※『紫式部集』より (七)返し
【意訳】九州へ行っても、あなたに毎月お便りしますからね。決して書き絶やすようなことはしません。空を通う雲に乗せて届けます。
果たして本当に毎月手紙を書いたのかは分かりませんが、結局はこれが永の別れとなってしまったのでした。
劇中ではその場面が描かれるのか、あるいはいつの間にかフェイドアウトするのか、今後も注目です。
※余談ながら、公式サイトの人物相関図において、さわを「市井の人々」にカテゴライズするのは身分的にちょっと違うのではないでしょうか?別に支障ないからいいのですが。
第19回放送「放たれた矢」
道長の右大臣昇進により、内大臣にとどめられた伊周。定子に逆ギレするなど、見事に荒れ始めました。
何もかも思い通りにならない伊周は妾である光子(三の君。寝殿の上)に癒しを求めます。
しかし彼女の館に花山院(本郷奏多)が出入りしているという噂を耳にしてしまい、伊周は弟の隆家(竜星涼)に相談するのでした。
予告編の映像から次週放送「放たれた矢」では、後世に伝わる「長徳の変(長徳2・996年)」が繰り広げられるのではないでしょうか。
伊周・隆家兄弟は一気に没落し、定子の地位も危うくなっていきます。
一方で政敵を追い落として権力を磐石のものとしていく道長。そしてまひろとの関係はどうなっていくのでしょうか。
次週も注目したいですね!