突然の出家に嘆き悲しむ道長…藤原道長の三男・藤原顕信が出家した理由とは?【光る君へ】:2ページ目
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突然の出家に、嘆き悲しむ両親
そんな事があったからか、顕信は世を儚むようになったと言います。
「私が庶子である限り、嫡男たちのような栄達は望むべくもない……仮に出世できたとて、父上はじめ時の権力者に弄ばれているだけなのかも知れない……」
年が明けて寛弘9年(1012年)1月19日、顕信は行願寺(京都市中京区)の僧侶・行円(ぎょうえん)を訪ねました。
「私はいったい、どのように生きたらよいのでしょうか……」
行円の説法を聞いた顕信はたちまち得心し、その場で剃髪したと言います。そして比叡山無動寺(延暦寺の塔頭)で正式に出家して長禅(ちょうぜん)と改名したのです。
「「何と言う事を!」」
息子が突然出家してしまったことを知り、前途を楽しみにしていた道長と明子は嘆き悲しんだと言います。
もしかして蔵人頭の任官を断ったから、世を儚んでしまったのかも……しかし後悔しても取り返しはつきません。
二人は仕方なく仏道に帰依した顕信改め長禅を見送るよりありませんでした。
終わりに
その後も長禅は10年以上にわたって修行に励みますが、万寿4年(1025年)5月14日に32歳の若さで亡くなってしまいます。
死期を悟った長禅は、延暦寺の根本本堂に2週間ほど籠もった後に息絶えたのでした。
ふとしたことから人生に虚しさを感じ、出家した藤原顕信。果たしてNHK大河ドラマ「光る君へ」には登場するのでしょうか。
もし登場するとしたら、誰がキャスティングされるのかも注目ですね。
※参考文献:
- 関口力『摂関時代文化史研究』思文閣出版、2007年3月
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