教科書から幕末のヒーロー・坂本龍馬の名前が消える!?その理由と真相について考える:3ページ目
薩長同盟もほぼ無関係!?
他にも、龍馬が実際に政治に関わって「日本の夜明け」を先導したとされる出来事は、今ではほとんど史実ではないと考えられています。
例えば薩長同盟では、龍馬が薩摩藩と長州藩の間を仲介したとされていますが、この時彼は無関係ではなかったものの、そこまで深くは介入していなかったようです。
司馬遼太郎の『竜馬がゆく』では、彼の一喝によって両藩が突然心を入れ替えて手を結んだというドラマチックなストーリーになっていますが、事はそんなに単純ではありませんでした。
どうもこのあたりは、大正元年に作られた『維新土佐勤皇史』という、半分が作り話のような本の中で書かれていたのが元ネタになっているようです。当時、明治政府内で冷や飯を食わされていた土佐閥が、土佐藩の実績をアピールするために捏造・あるいは大げさに描写した可能性があるのです。
また、長州藩が薩摩名義で武器を購入したという話についても、龍馬が発案・仲介したことになっています。しかし木戸孝允の回想録には確かに龍馬の名前が出てきますが、実際に彼が仲介した形跡はありません。