わずか20年で世界を席巻し日本を襲った「梅毒」の猛威。日本史上の有名な人物も感染【前編】:2ページ目
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いずれにしても、15世紀末を境に梅毒は急速に世界中に伝染した。イタリアやフランスでの流行を皮切りに、インド航路に乗って東アジアに進出。中国や東南アジア諸国にも伝染することになる。
日本への伝染
日本で梅毒の存在が認められるのは1512年の大阪だった。アメリカ大陸から広がった説をとるならば、わずか20年程度の間にヨーロッパからアジアを横断し日本に到達したことになる。
それは種子島に鉄砲が伝わるよりも遥か以前であった。伝染ルートは、当時交流が盛んに行われていた中国からと考えられており、貿易商人による性行為感染が引き金となった可能性が高い。
交通機関や移動手段が限定的であった当時において、20年という短期間での世界感染拡大は異例のスピードであり、人類は自らの肉体を介した感染力の凄まじさをまざまざと見せつけられる結果となった。
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