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トマトケチャップを創り出した日本人「蟹江一太郎」〜日本人の嗜好に進化したトマトケチャップの歴史

トマトケチャップを創り出した日本人「蟹江一太郎」〜日本人の嗜好に進化したトマトケチャップの歴史

一方、トマトケチャップは、明治時代に、ある一人の日本人によって発明されました。

その日本人の名前は蟹江一太郎(かにえいちたろう)。1875(明治8)年、愛知県生まれ。1884(明治17)年に小学校を中退し、1895(明治28)年、陸軍に入隊。そこで上官から、これからは西洋野菜が必要になるだとうといわれ、兵役を務め終えた後、名古屋市勧業課吏員の指導で、さっそく様々な西洋野菜の栽培にとりかかりました。

そのうちの一つにトマトがありました。このとき、農事試験場の技師から、西洋では<トマトピューレ>という調味料が使われていると教えられ、蟹江はそれを作ろうと思いたちました。

1903(明治36)年、試行錯誤の末に、蟹江はようやくトマトピューレを作ることに成功。ところがピューレはトマトを漉したもので、それだけでは調味料になりません。

ピューレに塩・胡椒・バターを加えたものがトマトソースになるのですが、それも日本人の舌には物足りなく感じられました。

そこで、あれこれ工夫した挙句、トマトソースに酢・砂糖・香辛料を加えて調理をしたトマトケチャップを創り出したのでした。それは、1907(明治40)年のことでした。

この甘酸っぱい味は、子どもや女性に大変好評で、その後デパートの食堂や洋食屋を通じて、一般家庭にまで広まっていくことになります。

参考

 

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