兄？弟？藤原惟規も手がかり

ところで、多くの研究者の意見が一致しているのは、紫式部の両親である藤原為時と藤原為信女が結婚したのは968～974年の間であるということです。

そして、二人の間に長女である紫式部が生まれたのは、結婚して数年後です。

紫式部像

さらに紫式部には藤原惟規という「兄あるいは弟」がおり、彼は974年頃の生まれだということが分かっています。これらについては異論はありません。

これと、与謝野晶子による「紫式部978年生年説」を合わせると、藤原惟規は紫式部の4つ上の兄だと考えられますね。

ところが、別の学説もあります。【後編】ではそれをご紹介します。

後編の記事はこちら：

参考資料：
歴史探求楽会・編『源氏物語と紫式部 ドラマが10倍楽しくなる本』（プレジデント社・2023年）