酷すぎる!だけど…内裏へ送り込まれた藤原遵子(中村静香)に向けられた心ない侮辱とは【光る君へ】:2ページ目
何たる侮辱!しかし元はと言えば……
しかし昔から「奢れるもの久しからず」とはよく言ったもの。公任はやがて反撃を喰らうことになります。
遵子は子宝に恵まれず、一族の焦りや周囲の蔑視に苛まれていたのでした。
皇后になっても、子供とりわけ男児を産まない女性の立場は非常に脆いものです(現代からすればとんでもない価値観ながら、そういう時代でした)。
更に歳月が流れて詮子が生んだ一条天皇が即位すると、遵子との力関係は逆転します。そうなると、かつての恨みを晴らすのは今とばかり反撃が繰り出されました。
詮子に仕える女房の一人・進内侍(しんのないし)が公任に言い放ちます。
「御妹の素腹の后はいづくにかおはする」
※『大鏡』より
【意訳】お宅の「産めない」お腹のお后様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?
素腹とは(1)空腹(2)不妊女性を指す言葉であり、この場合は間違いなく後者でしょう(仮にも皇族が飢えているとは考えにくい)。
心ないにもほどがある侮辱ですが、公任としては自分から売ってしまった喧嘩であり、何も言い返せないのでした。