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明治時代、日本の犯罪史上初めてのピストル強盗事件を起こした犯罪者「清水定吉」とは

明治時代、日本の犯罪史上初めてのピストル強盗事件を起こした犯罪者「清水定吉」とは

さて、前回では幕末頃に日本に入ってきたピストルのお話をしましたが、

腹を切り、頭を撃ち抜き…江戸城無血開城の裏側で日本最初のピストル自殺をした川路聖謨とは?

日本の主流火器は、両手で扱う火縄銃でした。ところが、幕末の日本では、西洋式銃が伝来したのと同時に、様々な種類の拳銃も輸入されるようになりました。当時、片手で操作できる小型火器の拳銃は、武士にとって初め…

ピストル絡みでもう一つ、重大な事件が起こっています。

最初の事件は、1882(明治15)年に発生しました。犯人は覆面をしてピストルを使用、以後、東京府内では拳銃強盗が相次いで発生。日本の犯罪史上初めてのピストルによる強盗事件でした。

事件の被害は80件以上にも及び、既に5人が死亡していました。犯人の逃げ足も速く、警官3000人と探偵200人が動員されたにも関わらず、警察は4年以上も犯人を捕まえることができない状態でした。

1886(明治19)年、12月3日午前5時頃、日本橋区馬喰町の絵草紙屋・石川スズ方に
覆面を被った強盗が押し入りました。強盗は、黒服面でしっぽりと顔を隠し、ピストルをつきつけてきました。

雇い人の岡島長次郎が抵抗をすると、強盗はピストルを発砲。弾は岡島氏の右腿を貫通したましたが、幸いにも命に別状はなかったそうです。一方で、強盗の方は、自ら撃った発砲音に驚いて何も盗らずに逃走しました。

通報を受けた久松警察署小川佗吉郎巡査は、現場に向かう途中、按摩姿なのに小走りをしている男を目撃。不審に思って尋問したところ、按摩師を生業としている清水定吉という人物でした。

2ページ目 警察官が殉職

 

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