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実は千利休のおすすめグルメ!栄養満点な「納豆汁」は冬を乗り切る古の郷土料理

実は千利休のおすすめグルメ!栄養満点な「納豆汁」は冬を乗り切る古の郷土料理:3ページ目

歴史上の著名人と納豆汁

さて、そんな納豆汁と歴史との関わりですが、まずは有名な話として、千利休の『利休百会記』の献立に、納豆汁が七回も出された記録が残っています。さらに豊臣秀吉も利休の茶会で納豆汁を食べていたと言われています。

また江戸時代も、納豆汁は納豆の一般的な食べ方のひとつだったようです。その記録は各種文献に残っており、かつては日本各地で食べられていたことが分かります。幕末の風俗史書『守貞漫稿』にも、「江戸では夏も納豆を売る。汁にして煮るあるいは醤油をかけて食べる」と記されているほどです。

これらの記録からも、実は叩いて潰した納豆を味噌汁に入れる食べ方はごく一般的だったことが分かります。ただ江戸後期以降は庶民の嗜好も変化し、現在のように粒納豆を主に食するようになったようです。

また、実は「納豆汁」という言葉は冬の季語でもあります。正岡子規などは「納豆汁 腹あたたかに 風寒し」という句を詠んでいたりしますし、漱石は「禅寺や丹田からき納豆汁」、高浜虚子は「糟糠の妻が好みや納豆汁」といった作品を残しています。

4ページ目 納豆汁の効用

 

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