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遊女を呼んではどんちゃん騒ぎ…賄賂で身を滅ぼした江戸時代の役人・上羽与平次の末路

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ここでどうした訳かタガの外れてしまった与平次。道中の宿ではたびたび遊女を呼んではどんちゃん騒ぎ、その費用は代官所を通じて村の者たちに出させたそうです。

村の人たちも、何でそんなの出しちゃうの?と思いますが、それで普請の巡見に手心を加えてもらうなど、便宜を図ってもらう魂胆があったのでしょう。賄賂を求める方は元より、出す方も大概です。

まったくロクでもありゃしない……というわけで、お上の威光を振りかざし、公務をないがしろにした不届き者。果たして与平次は捕らえられ、遠流に処されてしまったのでした。

その後、与平次がどうなったのか、消息を絶ってしまったようです。

終わりに

上羽
某 与平次 実は某氏の男、新五郎某が養子となる。

寛延元年七月五日遺跡を継、後御天守番となり、そののち支配勘定に転じ、明和六年五月二十六日班をすゝめられて御勘定となる。 廩米百五十俵 七年十二月六日先に関東をよび北国の川々普請の事をうけたまはり、彼地におもむく。中途にしてしばしば売女をよびよせ、代官所の手代をよび村役のものを集め、遊興にふけり、その費用は普請所の村々より出さしめし事賄賂をうくるにあたれり。しかのみならず村役のものどもとしめしあはせ、巡見の郷里を省きし等のこと、すべておほやけをおそれずうしろぐらき行為なりとて遠流に処せらる。

※『寛政重脩諸家譜』巻第千五百二十 未勘 菰田 上羽

【上羽家略系図】

……上羽与兵衛-上羽与左衛門-上羽新五郎=上羽与平次-上羽与十郎・上羽孫次郎……

以上、賄賂が元で身を滅ぼしてしまった上羽与平次のエピソードを紹介しました。

十数年にわたって真面目に勤めてきたのに、江戸を離れた解放感と大きな権限を与えられたことで舞い上がり、魔が差してしまったのでしょうか。

コツコツ地道に積み上げてきた信頼を、壊すのは一瞬。是非とも反面教師にしたいところです。

ちなみに与平次には上羽与十郎と上羽孫次郎という息子がおり、兄の与十郎は追放、弟の孫次郎は親戚に預けられました。

その後、彼らがどうなったのか。新たに史料や文献が見つかったら、また紹介したいと思います。

※参考文献:

  • 『寛政重脩諸家譜 第8輯』国立国会図書館デジタルコレクション
 

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