実践女子大学と丸紅ギャラリーによる連携企画として、企画展「源氏物語 よみがえった女房装束の美」が開催されます。
本展では、実践女子大が学術研究の一環として5年をかけて再現した、『源氏物語』に描かれた女房装束が一般公開されます。
公開される女房装束は、『源氏物語』「若菜下」の巻の六条院の女楽に登場する明石の君の装束を再現しており、実践女子大の専門家チームを中心に、『源氏物語』や『源氏物語絵巻』、有識故実書、古典文学作品、古記録などの諸資料を駆使し、再現。
装束の再現は、衣紋道高倉流26世宗家高倉永佳氏の監修の下、厳密な考証を踏まえて行われ、可能な限り平安期の有識故実や風俗に忠実な再現を試みているそう。形状は天保14年(1843)に再興され、以後現代につながる女房装束とはまったく異なるものとなっています。
今回、染色は「染司よしおか」6代目吉岡更紗氏が担当し、紫根や日本茜、苅安など平安時代に使用された染料のみで染められました。織や文様も当時使われたと想定されるものを再現されています。現代の装束を身に着けた方は、よく「重い」と言いますが、今回の装束では絹糸の質・太さから再検討し、平安時代の女性たちの宮廷における衣服らしい軽やかさで再現されています。
企画展ではこのほか、期間中、再現装束とともに「唐衣(からぎぬ)」も展示予定。唐衣は、正装の際に装束の一番上に着用する装束であり、模様は『紫式部日記絵巻』に描かれた藤原道長の妻・源倫子(みなもとのりんし)の唐衣の文様を典拠に、そのまま再現されています。
企画展「源氏物語 よみがえった女房装束の美」は、2023年12月1日(金)~12月28日(木)の期間、東京・大手町の丸紅ギャラリーで開催されます。入場料は一般500円(高校生以下無料)。