ますらおの友たちよ…第45代天皇「聖武天皇」による期待と激励の気持ちを込めた歌がこちら【万葉集】:2ページ目
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聖武天皇が詠んだ、はげましの歌
今回ご紹介する歌がこちら
ますらをの 行(ゆ)くとふ道ぞ おほろかに 思ひて行(ゆ)くな ますらをの伴(とも)
歌の中で2回使われている「ますらを」とは、勇ましい男性や男性らしい趣味を持つ人を指しますが、この歌では男性の役人(非常に高い統率力を持った優秀な役人)を指しています。
この歌では、藤原房前、藤原宇合、多治比県守を指していると考えられています。この3人の役人が、節度使として地方(東海・東山・山陰・西海・南海道など)派遣されることになり、それについて期待と激励を詠んでいるのです。
歌を現代語訳すると
「これから行く道は、立派な男が行く道だから、おろそかな気持ちで行ってはならない、ますらおの友たちよ」
といったところでしょうか。
節度使は地方の軍政と防備を指揮する重要な立場。宴の席で詠まれた歌であり、聖武天皇の気持ちがひしひしと伝わってくるのではないでしょうか。
ただし、この歌は左注に「或いは太上天皇(元正天皇)の御製なりといふ」とも書かれています。天皇による壮行歌の類型であることから、このような異伝があると考えられています。
いかがでしたか?この記事が、みなさんが少しでも日本文化や歴史の面白さに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
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