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幕末期「ええじゃないか騒動」の黒幕は薩長だった?最新学説の陰謀説を検証

幕末期「ええじゃないか騒動」の黒幕は薩長だった?最新学説の陰謀説を検証

黒幕は薩長か?

もちろん今のところ物的証拠はないのですが、ええじゃないか騒動は薩長の人間によって扇動されたものだと考えると、辻褄が合う部分もいろいろあります。

まず先述した通り、デマによって引き起こされたこういう人為的な騒動が、自然発生的に複数の地域で発生しているのは不自然ですが、やはり陰謀があったと考えるとすっきりするでしょう。

さらに、ええじゃないかにまつわる御札が実際にばらまかれたのは、1867年8月頃と言われていますが、これは大政奉還の二か月前のタイミングです。

そして、岩倉具視の伝記である『岩倉公実記』では、この騒動は12月9日に王政復古の大号令が発令されるのと同時に止んだそうで、まるで何物かがタイミングを見計らっていたかのようにストップしているのです。

さらに、ええじゃないかの歌詞には「長州さんのお上り、ええじゃないか、長と薩摩とええじゃないか、一緒になってええじゃないか」というのもあったそうで、薩長に対して好意的すぎるように思われます。

もちろんはっきりした証拠はありませんが、一応可能性は否定しきれないと言えるでしょう。

参考資料
日本史の謎検証委員会『図解 幕末 通説のウソ』2022年

 

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